DSAセミナー

DSAデザインセミナー「デザインの動き」

今回のDSAデザインセミナーは、デザインジャーナリストの川上典李子氏をお迎えして、これまでに世界中のデザインの現場を取材し体感された「デザインの動き」について話を伺いました。川上氏は1980年代から現在に至るまで世界中のデザインを様々なメディアを通じて発信し続けることでその社会性を問い続けてこられました。

セミナーは、満席となり来場者の関心度の高さを感じさせられた会場となりました。
アクシスの編集を手がけられた当時の話から、現在携わっている21_21のキュレーションの話まで様々な事例(画像)を見ながらお話をいただきました。セミナーは本のページを開いていくような感覚で、川上氏の進行する滑らかな言葉の流れに魅了される時間であり、聞き手となるジャーナリストの一面が垣間見えた瞬間でもありました。

今回のセミナーの中で川上氏は、デザインと社会とのつながりに目を向けること、そして気がつかなかったことをデザインで差し示すことの重要性を語られていました。『デザイナーにとって大切なことは何でしょうか?』の問いに川上氏は出会ってきたデザイナー達の言葉を引用し、こう答えられました。
『鍛えること』『手と頭をつねに動かしていること』そして『心は自由であること』であると。

セミナーは川上氏が語る「デザインといきることのつながり」を考えさせられる時間となりました。
 

講師プロフィール


Photo: Takaaki Koshiba

川上典李子

ジャーナリスト
株式会社アクシスにて「AXIS」編集に関わった後、独立。1994年〜1996年、ドムスアカデミー リサーチセンターの日伊デザインプロジェクトにエディトリアルディレクターとして参加。2007年より、21_21 DESIGN SIGHTアソシエイトディレクター。
同館以外の展覧会企画も手がけ、2011年「WA:現代日本のデザインと調和の精神」(パリ日本文化会館ほか6か国で開催)、2014年より各国巡回中の「現代日本のデザイン100選」を共同キュレーション(共に国際交流基金主催)。近年では「London Design Biennale 2016」日本公式展示のキュレトリアル・アドバイザーを務めた。
著書に『リアライジング・デザイン』(TOTO出版)、共著に『ウラからのぞけばオモテが見える』(日経BP社)ほか。「2017年度 グッドデザイン賞」選考委員。