DSAセミナー

DSA空間塾「庭に学ぶ」課外授業、庭を通じて日本美の空間を感じる

今回は、紅葉真っ盛りの奥多摩・青梅で、空間塾初めての課外授業を実行しました。
造園家の光山尚司先生をナビゲーターにお迎し、日本画壇の巨匠・川合玉堂の作品を
展示した美術館や館内にある枯山水の庭園を学ぶ機会をいただきました。
まずは、渓流散策。川合玉堂が大切にした奥多摩の自然と心をシンクロさせ、
数奇屋建築の名手である「吉田五十八」の設計した美術館へ足を運びました。
はじめに、玉堂の孫にあたる館長から、日本の四季の山河と、そこで生きる人間や動物
の姿を美しい墨線と彩色で描く川合玉堂の作品を説明しながら案内していただきました。
その後、今回の目的である庭園へと向かいました。
たどり着いたその庭園は、造園家「中島健」の代表的作品のひとつで、
多摩川の御岳渓谷に面し、多摩川の石を用いた枯山水庭園です。
ナビゲーターの光山先生は中島健のお弟子さんだったという事で、
今回の枯山水庭園計画当時の図面や写真などを持参していただいており、
計画時の考えと56 年たった今を比べながら、庭のイロハを教えていただき
大変貴重な時間を過ごしました。特に印象的だったのが、外の景色とつながるために
計画的に植えられた杉の植え込みに自然の紅葉が着床し、大きく育っていた事でした。
本来枯山水などの庭園は手を入れた設計者の意図をまもるイメージがありましたが、
奥多摩の自然の風景・営みを愛した川合玉堂の心が枯山水の庭にも現れた心地よい
エピソードではないかと感じました
今回の空間塾は、光山先生の話される、「庭は、心地よい空間ではなくてはならない」
というお言葉を、奥多摩の凛とした自然や枯山水庭園を見ながら考えさせられる
時間となりました。
【参加者の声】
・心の洗濯が出来た!勉強になりました!
・先生の人柄が素敵だった!館長の話しに感動!
・わざわざ来て良かったです。次の空間塾も是非参加したい!

講師プロフィール

光山尚司 Shoji Kohyama

1958年生まれ
東京農業大学造園学科卒業
造園家中島健に師事し造園設計・施工・管理を学ぶ
ホテル・商業施設、集合住宅、寺院、個人邸の造園を多く手がける。
主な仕事に、横浜三溪園、モスクワ日本庭園、玉川高島屋、パークコート学芸大学、
鴨川グランドホテルなどを手がける。
建築家三浦正道、広告デザイナー大野隆とデザインユニットCreatzzeriaを組み活動を行っている。