DSAセミナー

DSAセミナー 「街とアートと文化を創り出す先端空間」
-ウィンドウ・デザインの可能性と未来-

日時:2015年10月9日(金)18:00~19:30(~20:00交流会)
会場:東京ミッドタウン リエゾンセンター

今回のセミナーは、今ウィンドウ・デザインが抱えている問題や、これからのウィンドウ・デザインはどうあるべきなのか、という役割や可能性をテーマに行われました。パネラーはウィンドウデザイナーのトップを走る4人のアートディレクターである和光の武蔵氏、資生堂の菊地氏、息吹工藝社の渡邉氏、Pranks.inc.の佐藤氏、ゲストはアートパワーインターナショナルのアブリル・リー氏/シャ・ジャジャ氏、そしてイラストレータのプシエメク・ソブツキ氏を迎え、会場は席が足らなくなるほど多くの聴講される方々であふれかえりました。

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ウィンドウは、それぞれ企業の考え方や場所の特性などによって目的と役割が違います。ウィンドウが100あれば100のデザインが存在します。また、アートパワーさんの出版されている本からわかるように、国民性により表現の違いも出てきます。渡邉氏はウィンドウは「お店と見る側が会話ができるポジションにある」と語られていました。その重要な会話の手伝いを第3者であるデザイナーが担っています。誰もが共感できるデザイン、驚きのあるデザイン、なるほどと思うデザインなど「イメージする」という行為の難しさは、はてしないものがあります。その難しさに立ち向かう為に、日々努力し挑戦し続けていくことの大事さをパネルディスカッションから感じました。

デザイナーは、ウィンドウに対してそれぞれの思いを持っていて愛着があります。時には、誇張した意思表示をしたり、新たな挑戦をしたりもします。和光の武蔵氏が手がけられた震災のウィンドウの写真が会場に映し出された時は、その新たな挑戦に感動すら覚えました。会場にいらした皆さんは目に熱いものを感じた事と思います。
街行く人を楽しませ、喜ばせ、記憶に残させ、常に話題づくりを提供するウィンドウ・デザインは、知らず知らずと見る側も作り手も何か夢中にさせる魔力があります。マスメディアとは全く質の違う魔力です。デザイナーは、「驚きと喜び」を皆に与えようとする魔法使いになろうとしています。そんな使命を背負ってできるウィンドウ・ディスプレイの仕事は、この先も重要であり魅力的であると思った有意義なセミナーでした。

講師プロフィール

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武蔵 淳 氏
株式会社和光勤務/アートディレクター
銀座を訪れるすべての人々をもてなす精神で、2000年より銀座和光のウィンドウを手掛ける。

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菊地 泰輔 氏
株式会社資生堂勤務/クリエイティブディレクター
魅力あふれるデザインをモットーに、ウィンドウやパッケージ及び広告などを手掛ける。

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渡邉 世志治 氏
息吹工藝社勤務/代表兼クリエイティブディレクター
和」の表現にこだわり、とらやなどのウィンドウを手掛ける。

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佐藤 寧子 氏
Pranks.inc.勤務/代表兼アートディレクター
ユーモアとストーリーのある空間づくりをモットーに、新宿伊勢丹のウィンドウを手掛ける。

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プシエメク ソブツキ 氏
イラストレーター・アートディレクター

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アブリル リー 氏
アートパワーインターナショナル勤務/エグゼクティブチーフエディター

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シャ ジャジャ 氏
アートパワーインターナショナル勤務/エディター