デザインがっこう

新宿区立 花園小学校

新宿区立 花園小学校

『これから日本の創造力が減衰する!?』
―「図工で培う力とは」パネルディスカッション―

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■日 時 平成28年2月27日(土) 14:00~16:30
■会 場 新宿区立花園小学校 4階 にじのひろま
■主催者 東京都図画工作研究会

みなさんは、近い将来「小学校の図工の時間が削減されてしまうかもしれない!」
ということを聞いたことがありますか?

昨年11月に東京都図画工作研究会より「2030年の子どもたちの図工」というDVDと関連資料が協会に届き、「小学校の図画工作授業時間が将来、削減されるかもしれない」という課題について議論されていることを知りました。

当協会青少年デザイン育成委員会では、この課題に対し強い関心と危機感をもち、2015年12月21日に東京都図画工作研究会の参与・新宿区花園小学校副校長の本間基史先生にお会いし、東京都図画工作研究会の組織内容、活動をご案内いただき、子供たちの今後のこと、特に図画工作から生まれる子どもたちの大切な生きる力について話し合いました。またDSAの育成委員会「デザインがっこう」の活動内容と実績を説明し、今後連携をとった活動の実現に向け動き始める事で合意をしました。

このような経緯により、今回の「図工で培う力とは」パネルディスカッションのパネラーとして青少年デザイン育成委員会委員長である持木慎子氏が参加することになりました。当日、持木氏からは、「デザインがっこう」は、デザインすることによって「課題解決を行う」というプロセスを、子どもたちの主体性を生かしながら、いっしょに取り組む活動であることや、デザイナーは、デザインが街や日々の暮らしを彩り、人々に感動や喜びを感じてもらうことによって「人を幸せにできる」と考え仕事をしていること、また、多くのデザイナーが小学校での図工の授業は、将来のデザイナーを育てる意味でも重要だと考えていることを伝えました。

今回のパネルディスカッションの9割は、小学校の図工の先生方で、誰よりも、子どもたちの成長に図工の授業を通して育む、考える力、生み出す力、やり抜く力が重要であるということを実感している方々です。しかし、文部科学省などの討議では、図工の時間が選択科目になってもいいのではないか、などの意見もあり、もっと外部へ図画工作の授業の重要性を情報発信していかなければならいことを参加者全員で共有しました。
図工で培う力とは、世界と触れ合う、リアルな価値観を勝ち取る力であり、自由な価値形成ができるのが図工の時間であるということや、日本の産業を活性化し、活力のあるものにしていくには、デザイン力や美的感性が重要で、このことを育む基礎が図画工作であるという意見がでました。

小学校の先生方に交じってのパネルディスカッションは、先生方の本音のぶつかりあいと熱意に私たちも大変刺激を受けました。これからもこの課題について関心を持っていきたいと思います。

<参考>
【東京都図画工作研究会】
http://tozuken.com/cn12/pg400.html

東京都の図工専科教諭1300名(東京都の公立小学校数)が参加する造形教育の研究団体。
次期学習指導要領改訂に向けて、教育関係者だけではなく、アートやデザインに関わっているアーチストや企業の方々にも現在の造形教育の現状や可能性をお知らせるため現在広報活動に取り組んでいる。

パネラー
○千葉大学名誉教授  藤澤英昭
○府中市立府中第五中学校長  中村一哉
○日本空間デザイン協会青少年育成委員長 持木慎子
○日本インテリアデザイナー協会北・東日本エリア副エリア長 小野上勝志
○前東京都図画工作研究会会長 高橋香苗
○東京都図画工作研究会 福岡貴彦
コーディネーター 
○東京都図画工作研究会参与 教育課程委員会委員長 本間基史
(敬称略)
協会員参加者
・檜原由比子(担当理事)
・小岩井淳雄
・湯沢幸子
・雲野一鮮
・芦田光代