DSAセミナー

DSA空間塾「空間デザイン」+「いけばな空間」
いけばなに学ぶ美の空間

DSA会員「いけばな作家 州村衛香氏」を講師に迎え、空間塾として初のワークショップを行いました。

当日、小学生からベテランデザイナーまで幅広い層の方が、「いけばな」の魅力と奥深さに触れ、日本の涼を感じる初夏のひとときを楽しみました。レクチャーでは世界に誇る日本文化「いけばな」の素晴らしさを、ご自身の体験や海外での師範講習の模様を交えお話いただきました。
印象的だったのは「なんでもいける」という先生の言葉。
草月流は、草や花に限らず、伐採された根っこ、石や金属、どんな異素材でも、月でさえも「いける」のです。
「いける」とは、「命」を「活ける」ということを 先生の作品を見せていただき実感できました。
次に、受講者たちは2つのワークショップ課題に挑みました。
一つは、ペットボトルを花器に見立てた個人作品の「いけばな」
もう一つは、チームで創作する大作のグループ作品の「いけばな」

個人作品では,思い思いの形にペットボトルを変形させ、クラフト紙をシワにしながら巻きつけたり、布のように優雅に垂らしたりと各々、感性のおもむくまま花器を制作しました。その花器に花一輪と大葉と異素材を組合せ、花器と異素材と花と葉が奏でる空間「いけばな」を創作しました。参加者全員それぞれの個性あふれる作品となりました。
グループ作品では最初にデッサンとプレゼンでグループの意識を共有します。
花器を配置し、シュロ、桔梗、ケムリノキ、レインボーを花器に担当パート毎に話し合いながら生けていきます。 植物と組み合わせながら異素材を各々のコンセプトに応じてカットしたり、折り曲げたりして協同で大作「いけばな」を創りあげました。 
完成した作品を講評した後、州村先生がたった2本の葉を加えると、急に作品に立体感が現れ! 情感ある空間が現れて! 参加者一同どよめき! これが、いけばなの空間か!と感動してしまいました。
「いけばな空間」の体感学習は実に贅沢で有意義な時間となりました。

空間塾では、これからも興味深い“日本の空間”をテーマに 企画してまいります。
次回の空間塾も乞うご期待ください! 
 

講師プロフィール

いけばな作家
州村衛香 Eikou Sumura

いけばな使節として外務省より海外へ派遣されるなど、国内のみならず世界中でいけばなの普及、発展のためにデモンストレーション、ワークショップを行っている。
作家活動、いけばな指導、指導者育成、植物における空間演出や講演など多方面で活躍中。

IKEBANA ATRIUM 主宰、(財)草月会評議委員、草月会師範会理事、草月会本部講師、いけばな芸術協会特別会員、いけばな協会評議委員
www.sumuraeikou.com