大阪・関西万博 「EARTH MART」
統合されたひとつの世界観-Integrated design of space and narrative-
大西 亮乃村工藝社nora
応募作品を空間デザイン的視点で語りつくしてください
未来を予想するのではなく、未来に残すべきものを提示したEARTH MART。
日常では「食」が並ぶスーパーマーケットに「いのち」を陳列し、その背景を認識することで気づきを得る設計とした。「たべもの」と「いきもの」のあべこべ風景である。日常的な風景の中にこそ見つける価値は、様々なあたりまえをリセットする。
「一生を終えた野菜の花」などマテリアルとして生きた素材を使用しながら、コンテンツ自体をそこに関わる食のプレーヤー(農家・寿司職人・バイオテクノロジー研究者など)と共に構築。空間に物語が広がる「統合されたひとつの世界観」を目指した。
特に苦労した点は、「アイデアが尽きないこと」。
どのパビリオンよりもコンテンツが多く、そのすべてにおいて充実した体験デザインを施すことが一番難しかった。チームのアイデアが尽きないことは本当に凄いと思うが、薫堂さん含め、もっといい答えがあると思って粘る傾向にあり、日々考え方が進化するので、一度良いとされたアイデイアも儚く消えていく日々であった。
表現においては、大迫力の映像がたくさん展開されるということは予想できていたので、我々は逆に手触り感のあるものにしたかった。真面目すぎず、すべてのひとに響くメッセージとユーモア。表現・体験・空間をどうインテグレートするかを考え抜いた。
Question01
受賞作品の最後のピース(ジグソーパズルを仕上げるに例えて)はどこでしたか?
出口にあるメッセージ「Welcome to EARTH MART」。
ここからが本当のEARTH MARTへの入口というオレンジ・アンド・パートナーズさんの企画はさすがでした。
Question02
空間デザインの仕事の中で、一番好きなコト、ワクワクするコトは?
考えたものが原寸大で立ち上がっていくプロセスを見るのは今でもワクワクします。
Question03
空間デザインの仕事の中で、一番苦労するコトは?
空間デザインに至る前の企画フェーズで、最終的にどういう気持ちになっているかを仮定すること。
また、その仮定に基づいた体験設計が無数にある中で、ひとつのベストを決めないといけないこと。
Question04
クライアントとのやり取りで印象的に残っている言葉や出来事はありますか?
プロジェクトの途中で小山薫堂プロデューサーに「大西さん、この感じで進めていて大丈夫ですかね?」と質問されたこと。
答えのない答えを必死で追及していた気持ちは、万博に関わる誰もが抱える同じ悩みだったかと。
その返答はもちろん「大丈夫です!」でした。
Question05
空間デザインで社会に伝えたいコトは?
基本は空間で伝えたいことがあるプロジェクトがベースなので、個人的に+αはしないが、案件特性によっては、空間学として何か進化を遂げる原石みたいなものを入れ込むようにしている。
Question06
空間デザインの多様性について一言
空間は結界であり、マテリアルであり、情報であり、コミュニケーションツールである。
一つのメディアとして捉えた際にどういう統合された価値を生み出せるかが重要。
Question07
空間デザイナーを目指す人々へのメッセージ
正直、空間デザインの可能性は掘りつくされてきていると感じています。小手先のトリッキーな表現に走り過ぎず、パーマネントな空間デザインの本質も大切にしながら良質な空間をつくっていきましょう!
PROFILE

-
大西 亮
乃村工藝社nora
空間デザイナー、デザインディレクター
企業ショールーム、ミュージアム、展示会、商空間、ホテル、ワークプレイスまで分野にとらわれないプロジェクトを経験。情報デザインとインテリアデザインの領域を融合した空間づくりや体験価値づくりを主軸とし、デザインプロセスを包括的に捉えたクリエイションを展開しています。
日本空間デザイン賞 2019金賞、日本空間デザイン賞2025 KUKAN OF THE YEAR /日本経済新聞社賞/金賞、ディスプレイ産業賞2019 大賞、SKY DESIGN AWARDS 2020・2023 GOLD WINNING PROJECT、iF DESIGN AWARD / 日経ニューオフィス賞 他





































